本づくりの歴史①
製本の起源を知ることは難しいのですが、
中国から伝承した「巻子本」と言われるものが、
日本で初めての書物と言われています。
遠く奈良時代は、ほとんどがこの様式であったとされています。
日本の古い書物が巻物と言う形で保存されていることはご存知かと思います。
この巻子本は、途中の一説や一部分を見たいときにも
全巻を広げなければならず、不便なものであったことから、
次にはこれを巻かないで折りたたむようにした「折り本」が
使われるようになりました。
平安時代に入り、二つ折りにした本を束ねて糊付けし、
最後に表紙を糊で接着した物が中国から伝わってきます。
これを発展させ、糊を用いず糸でかがって表紙の二か所を紐で結ぶ形式が、
わが国で考案されました。
江戸時代に入って木版印刷による出版ブームが起こり、江戸職人の技と粋が
和装本に集約されていきました。