製本の仕事を体験して感じたこと!

もう何十年も前のことになりますが、製本会社に入社し、工場で働き始め、感じたことがあります。

膨大な量の紙を見たことがなかったのでビックリしましたね。A全サイズの紙が自分の身長くらいに積まれて、所狭しと置いてありました。触ってもびくともしないので、これが紙なのかと思ったりもしました。そして、この紙の重さで体中が筋肉痛になり、アンメルツが必需品となっていました。意外と紙は重いのです。印刷に傷や跡がつかないように両手を広げ持ち上げる。これで上半身は鍛えられ、女性にもてる体になっていくので我慢しました。製本工場は紙紛が多いことにも驚きましたね。1日仕事すると、機械の下は紙紛が積もります。これは印刷の段階でインクで用紙がくっつかないように、紙と紙の間にパウダーで隙間を作り対策をしているからです。

製本はまず印刷された紙をきれいに揃えなければなりません。これが基本なんです。「次工程はお客様」という言葉を何度も聞かされましたが、きれいに揃っていない紙を断裁すると、印刷位置がズレ、次の折工程も折目が合わず、その次の綴じ工程なんかは、三方を仕上げたら文字が欠けることもあるのです。もちろんクレームで刷り直しになることも・・・・・、でも、印刷自体に不具合があり、裏と表の位置がズレていたり(針飛び)、用紙の直角が出ていなかったりすることもあります。これには泣かされます。見開きが合わなくなりますから・・・・、最初の工程で発見できれば良いのですが、工程が進めば進むほど、最悪それまでの仕事が無駄になってしまうのです。不具合は出来るだけ早い段階で発見できれば被害も最小限に抑えることができるので各工程ごとの検品はしっかりする必要がありますね。