上製本の花布(はなぎれ)とは
少部数の上製本を作る中で、意外と細かく大変な仕事があります。
それは花布付けです。
この花布は、元々は色糸を折り丁に交互に縫い付け、ばらけないように補強するとともに装飾としたものですが、現在の花布はそのような機能はなく、模造した布を張り付け、本文の背部を隠したり装飾にすることが目的になっているようです。
少部数の製本ではすべて手作業となりますので大変です。
本の背幅に合わせてカットし、1枚1枚貼っていくのですが、左右にずれたり、曲がったりしてはいけませんので慎重に貼っていきます。そして本を開いた時に花布が浮いてこないように密着させて貼らなければなりません。
本文の束幅(厚さ)がないと接着面積が少なくなり、接着不良で取れてしまうと困りますので、少なくとも本文束幅8ミリ位は必要です。
小さな花布ですが、本の外観やデザインに彩りを添えるものとしても大切な役割を担っています。
いろんな色、柄がありますよ!