紙の目のトラブル!

以前「紙の特性を深堀してみる!」でも触れたのですが、紙には「紙の目」というものがございまして、製造過程で紙の繊維が一方向に並ぶ紙の目と呼ばれるものが存在します。

製本ではこの紙の目を理解して作らないと、失敗やトラブルの原因となってしまいます。

逆目で製本してしまうと開きにくい本になります。また開いた時にノド側に力がかかる為、壊れやすくなったり、製本強度が落ちる原因にもなります。

紙は空気中の水分を吸ったり吐いたりしています。紙は水分を吸うと紙の目に対して直角方向に延びます。製本過程では、糊や接着剤を使用しますので、紙が水分を吸って伸びます。ノド側に逆目の紙を貼ると、延びる方向が違うのでシワの原因になったりします。

無線綴じの場合、逆目の紙を綴じると、しばらく時間がたってから紙が乾燥していき、縮むことによって接着部分に隙間が生まれ、剥離が起きるトラブルにもなったりします。

逆目の紙を誤って2つ折りにしたり、表紙に使用したりすると、背割れが発生し、インクが剥げて白くなり、クレームにつながることもあります。折ったり、綴じたりする前に必ず紙の目を確認する必要があります。

寒い日が続いてますが、冬のこの時期ですと、出来立ての本をエアコンの前に置いておくと、急激に紙が乾燥し縮んで、本が反ったり波うちをすることがありますので、保管の仕方にも注意をしましょう。