断裁は難しい!①

今回は、主に最初の工程である平断裁工程にスポットを当てます。

製本会社で主に使われている平断裁機は、用紙を500枚とか1000枚を束ねて断裁出来る大きな機械になります。大小いろいろタイプは異なりますが、断裁する用紙の大きさが基準になっています。四六判を横にして断裁するには幅が1100ミリ必要になります。大は小を兼ねるで四六判が断裁出来れば菊判もA版も断てますので、このくらいの幅の断裁機が多く使われています。入船製本工房では、オンデマンド印刷での業務が中心となりますので、スペース的な問題もあり、菊4つ切りが断てる幅600ミリサイズの小さい断裁機を使用しています。

断裁には寸法通りに断裁する寸法断裁と、印刷のトンボを基準に断裁するトンボ断裁があります。白紙などを決められた寸法や規格の寸法に断裁したりする場合と、印刷された用紙をトンボ通りに断裁する場合があります。

断裁機には可動式のバックゲージというものがありまして、そこに揃えた紙束を当てて断裁するのですが、そのバックゲージからナイフまでの距離が寸法として表示されます。1/100ミリや1/10ミリ単位で表示されますので、基本その精度で調整が出来るということになります。

相手は紙ですからバックゲージに当てた時にたわみが出たり、湿度によって伸びたり縮んだりするので調整が困難になります。特にトンボで断裁する場合は、版の設計と印刷後の現物に、先ほど述べた要因により誤差が生じている場合があります。トンボの幅は0.3ミリほどですので0.5ミリ誤差が出たらトンボ通りに断てないことになります。ですので大げさかもしれませんが1/10ミリ単位の調整が必要になるのです。