上製本で綴じ方の違いによるメリット、デメリット

上製本は本文をハードカバーで包んで作られるのですが、中身の本文の綴じ方によって色々種類があります。その仕様の違いによるメリットやデメリットをザックリですが見てみたいと思います。

糸かがり上製本 

メリット 耐久性にすぐれている 開きが良い 厚い紙でも対応できる 頁数の多い本にも対応でき 丸背、角背を選択できる

デメリット 折り丁にする必要がある為、少部数やオンデマンド印刷に向いていない 工程が多い為コストがかかる 少部数だと製本してくれるところが少ない 機械の構造上ある程度の頁数が必要になる

中ミシン上製本

メリット 少ない頁数でも耐久性のある製本が可能 厚い紙でも対応できる 開きが良い 糸かがりよりも少ない工程で出来る

デメリット 中綴じと同じで、頁数が増えると真ん中のページが小口側に出てきて短くなる 頁数の多い本には向いていない 角背のみとなる 花切れスピンはつかない

PUR上製本

メリット 少部数やオンデマンド印刷にも対応できる 糸かがりよりも工程が少なく出来、コストをおさえられる 温度変化に強い 開きが良い 厚紙にも対応できる

デメリット 角背のみとなる PURで対応しているところが少ない 無線上製本よりも時間とコストがかかる 

アジロ上製本

メリット 大ロットでも生産可能 無線上製本よりも強度は確保できる 糸かがりよりも生産時間とコストは短縮できる

デメリット 背はホットメルトで綴じているので温度変化に弱い 丸背は対応できない 開きは良くない 折り丁にしなければならないので少部数、オンデマンド印刷には向いていない

無線上製本 

メリット 大ロットでも小ロット、オンデマンド印刷でも対応可能 糸かがりよりも生産時間とコストは短縮できる

デメリット 背はホットメルトで綴じているので温度変化に弱い 丸背は対応できない 開きは良くない 厚紙には向いていない 

レイフラット上製本(合紙製本)

メリット 平らに開く 見開きが活かせてズレない 強度もありページ抜けがおきない 少ないページでも束幅を確保しやすい

デメリット 貼り合わせるので薄紙は適さない 時間がかかる 頁数の多い本には向かない 頁数のわりに本が重くなる