和綴じ製本

先日、製本工業組合で和綴じ本の講座があり、参加してきましたので和綴じ本について触れてみたいと思います。

和綴じ本は、ご存知でしょうか? 書店でも見かけませんので、若い人は知らないかもしれませんね。

昔のテレビの時代劇や博物館で、見た人もいるかもしれません。日本で書物が作られるようになったのが奈良時代といわれていて1300年の歴史があります。もちろん当時は印刷とかは無かった時代ですので、手書きで伝えたり、保存したりすることが主でした。

書物の最初は「巻物」で、中国から伝来した木の棒を芯にして巻いていく装丁法で、書籍を1巻、2巻と数えるのはここからきています。見た後に巻き戻さなければならず不便なため「折り本」が考案されますが、繰り返し使うと折り目が切れてしまうので、1枚ずつ製本することが考案されます。

平安時代になると、紙を2つに折りたたみ背の部分を1枚ずつ糊付けして冊子状にして表紙を貼り付ける形が中国から伝わり、歌集や仏典などに使われるようになります。但しこちらも糊で貼った部分が剥がれたりすることから、糊を使わず糸でかがる方法が出現します。

室町時代になると、糊を使わず糸でかがる袋とじが中国から伝わり、これが袋とじ和装本の基本形となります。

江戸時代になると木版で印刷された本が普及し、草双紙と呼ばれる絵入り娯楽本が広まり、本の大衆化が進みました。大半は袋とじと言われる装丁方法で、印刷面が表になるように折りたたみ、順番に重ねて少し厚い紙で作った表紙をあてがい、糸でかがっていく本でした。

このような伝統的な装丁の本を「和装本」とよんでいます。