表紙やカバーのPP加工について
表紙やカバーの表面を保護し、汚れを防ぎ、強度をアップさせるために「PP加工」というものがあります。表面に薄い透明PP(ポリプロピレン)フィルムを貼る加工で、グロスPPとマットPPの2種類があります。
グロスPPは光沢のあるタイプで、印刷だけのものと比べるとつやがあり色も鮮やかに感じられます。フィルム表面が平らなため、光を正反射し、角度によって見づらくなる場合もあります。
マットPPはつや消しタイプのフィルムで、落ち着いた高級感が特徴です。表面がざらついているため光を乱反射し、見やすくなるのですが、表面を擦ったりすると細かい傷が目立つという弱点があります。特に暖色のベタ印の物などは、加工する時に注意しないと擦れの跡が目立ってしまいます。
またPP加工することによって色の変化にも注意が必要です。フィルムや紙質やインクの特性の為で避けられない現象なのですが、校正刷りと違って見える場合、PP加工を前提に補正したり、PP加工して校正するなどの対策も必要です。。
PP加工する場合の用紙ですが、四六判110kg以上が必要です。高熱でフィルムを圧着するため、薄紙の場合、シワが発生したり紙が反ったりして、品質に悪影響を及ぼしたり後加工が難しくなってしまいます。
上製本の表紙にもPP加工は良くありますが、注意すべき点は、芯ボールに刷り本を巻き付けてハードカバーにするため、用紙の斤量が高すぎるとPP加工と相まって、紙の反発が強くなり、折り返し部分が開いてしまい、表紙が作れなくなることもありますので注意が必要です。なので四六判110kgの用紙にPP加工というパターンが多いです。