上製本のチリ
暑い毎日が続いていますね。
朝の工場は、冷房が効いていて「肌寒い!」と思うことも…。しかし機械が稼働すると途端に暑くなり、みんな汗をかきかき製本しています(私は製造部勤務ではありませんが汗)
電力需要ひっ迫といえど、やはり健康には変えられません。節電しつつ、冷房は適切に使いたいものです。
話は変わり。
この間買った子どもの絵本(古本で購入しました)、届いて「さぁ読もう!」と思って開いてみると、なんだかページがめくりづらい…? 古本だから??
よくよく見てみると、本文が表紙に対して傾いていて、小口下側のチリが狭くなっていました。
上製本の「チリ」とは、日本の地理でも、南米のチリでもありません。
上製本の場合、表紙サイズが本文サイズに対して大きいため、製本した際に表紙と本文の間に大きさの差ができます。その差の部分をチリといいます。
チリがあることで、本文が傷付きにくくなるという利点があります。製本のときは、このチリを上下左右均等にするのが難しいんですよね。。緊張の一瞬です。
表紙に対して本文が傾いて付いてしまうと、傾き具合にもよりますが、本文の摩耗につながります。製本の知識が生活の中で活かされて、ちょっと嬉しい出来事でした(笑)
本の摩耗も、誰かが大切に読み継いできた証かもしれません。私たち家族も大切に読んでいきたいと思います。
入船製本工房では、上製本の製本依頼も1冊からお受けしています。お問い合わせはこちら